分電盤の交換時期かも?電気工事の注意点や依頼のポイントを解説

住宅の設備は新規の設置後少しずつ劣化をしていきます。

劣化をしてもすぐに補修を急がなくても良い設備もありますが、電気関係は別です。
不具合を放置しておくと漏電リスクも高まり、火事になる可能性もあります。

そこで、今回は分電盤に焦点を当て、電気工事の注意点や依頼のポイントを解説します。

分電盤とはどんな役割を果たす機器?

ご自宅の中には電気設備の1つとして分電盤が設置されています。

分電盤とは住宅に設置されていると、各部屋に電気を届けることが役割ですが
ブレーカーを管理している設備でもあります。

蓋を開けると漏電ブレーカーなどの設備が整えられています。

一般的にご家庭でブレーカーと呼ばれている設備は分電盤です。
類似として、配電盤と呼ばれる設備もあります。

配電盤は高圧の電気を使いやすくするために電圧を下げるための設備です。
配電盤は一般住宅には設置されておらず、大型のモールや工場などに設置されています。

今回は一般の家庭を想定し、分電盤について焦点を当てます。

分電盤の寿命とは

一般住宅の電気工事は一般的に新築時に整えられています。
入居後すぐに家電や照明を使うためには電気が無ければ困ってしまいますよね。
つまり、新築時から分電盤はフル稼働しています。

では分電盤の寿命は一体どの程度なのでしょうか。
結論から言うと、分電盤の平均的な寿命は約15年程度~約20年程度です。

家電製品の本体の寿命は約10年程度と言われていますが、そこに電気を配るための分電盤はもう少し長持ちをします。

しかし、分電盤本体には問題が無くてもプラスチックのカバーは劣化しやすく、次第に割れてしまうことがあります。
すると、外気や結露による影響から分電盤の本体も劣化しやすくなるので
寿命はまだ先だからと放置をするのではなく、適宜必要に応じてメンテナンスを行うようにしましょう。

分電盤の機能に劣化が進行すると、電流に問題があるだけではなく漏電に至る可能性が高いのです。

暮らしに危険を持ち込まないためにも、分電盤の寿命を踏まえたメンテナンスを行いましょう。

分電盤の点検に目安はある?

分電盤の寿命は約15年程度と紹介しましたが、では点検の決め手となる目安はあるのでしょうか。
点検の目安はまず寿命ですが、その他のポイントについて解説します。

こんな症状ありませんか?

分電盤の点検の目安は4つあります。

・「ブレーカーの違和感」
具体的にはブレーカーが高頻度で落ちる、今まで問題が無かった使用量で落ちるなどの変化が見られたら
分電盤やブレーカーの寿命が迫っている可能性があります。
すでに劣化が進行している可能性も高い症状なので、早めに点検を依頼することがおすすめです。

・「照明や家電の動きがおかしい」
1つの家電のおける不審な動きなら家電側に問題がありますが
照明がチラつく、エアコンの空気が出ない、なども症状例として挙げられます。
家全体の電力状態に違和感があったら早めの点検がおすすめです。

・「分電盤の異音」
分電盤やブレーカーに劣化がある場合には、異音が発生している場合があります。
ジーという機械音のような音で響くことが多く、次第に大きくなる事案もあります。
音が響いていたらこちらも点検のサインであると知っておきましょう。

・「分電盤の熱や変色、焦げ」
分電盤は経年劣化と共に機器が熱を帯びやすくなります。
すると、分電盤の蓋や本体が焦げたり、変色をしていくことがあるのです。
こうした症状は漏電の可能性も高く、火災リスクが高い状態のため点検を急ぎましょう。

以上4つの目安について紹介しました、これらの不具合は15年とされる寿命よりも前に起きることもよくあります。
気が付いたらすぐに点検をし、安全を確認しましょうね。

分電盤の点検はどうすればいい?

「ひょっとしてうちの分電盤もおかしいかも?」
とここまで読んでいただいて気付いたら、早急に点検を依頼したいですよね。

分電盤に関しては電気工事の専門業者への依頼が大切です。
分電盤や配線の工事は電気工事士が行う必要があります。

ちょっとの点検ならDIYで…とはやる気持ちは抑えて、まずは電気工事業者にご一報ください。

分電盤に問題があった場合の対処法とは

分電盤の異常や寿命が見つかった場合には、電気工事士はどのような方法で対処しているのでしょうか。

一般的に分電盤の不具合が見つかったら、交換を行っています。
特に経年劣化が進行している分電盤は修理を重ねても不具合を起こすことが多いため、交換の工事を実施することが一般的です。
また、分電盤の交換には新たな機能が追加できるメリットもあります。

よく多いご要望が、エアコンのコンセントの追加です。
分電盤を見直す際には家庭全体のコンセント状況を見直すことがおすすめですが
子ども部屋や和室など、これまでエアコンが不要だった箇所にエアコンを追加したいという方がおられます。

電気工事はまとめて依頼をする方が、人件費などの関係上施工費用が安くなりやすいので
分電盤の工事の際にはその他の電気工事も併せて実施することがおすすめです。

家族人数や使用家電の変化がある場合にはアンペア変更で
より快適に電気を消費できる環境を整えることも検討しておきましょう。

分電盤交換は家を守るためにも必要

分電盤の交換は全国的に電気保安系の職種が呼びかけをしています。

この背景にはご自宅の火災の原因に漏電や分電盤からの失火が後を絶たないためです。
火災はご存じの通り建物や家族の大切な思い出を焼き尽くしてしまうだけではなく
延焼に発展すると近隣住人にも影響を与えてしまいます。

また、寿命や不具合ではなくても使用家電の電力量が上昇し
分電盤への負荷が続いていると熱を帯びてしまい、火災リスクが上昇していきます。

この場合もアンペア変更で分電盤交換をすればしっかり対策ができます。
分電盤交換の電気工事は、家を守るために大切な工事であり、欠かせない存在なのです。

思い当たるふしがある場合には、早めに電気工事士や電気工事業者へご一報ください。

まとめ

今回は暮らしを明るく灯す分電盤について、寿命や電気工事の大切さを解説しました。

ひょっとして負荷をかけ過ぎているかも、と感じた
ぜひアンペア変更も視野に分電盤の交換をご検討ください。

また、紹介のとおり違和感や異音があったら早めの点検は必須です。
有資格者在籍の電気工事へお気軽にお問い合わせください。