電気工事を行う際は、絶縁処理が欠かせません。
絶縁処理とは、電気回路を構成する導線や機器を、電気が漏れないように保護する処理のことです。絶縁処理が不十分だと、感電や火災などの事故につながるおそれがあります。
この記事では、電気工事に欠かせない絶縁処理について、施工方法や注意点などを解説します。
電気工事における絶縁処理の施工方法とは
電気工事における絶縁処理とは、実際にどのように行われるのでしょうか。
絶縁処理の目的は、電気回路を構成する導線や機器を、電気が漏れないように保護することです。電気が漏れると、感電や火災などの事故につながるおそれがあります。
電気工事では欠かせない処理のため、第二種電気工事士の試験にも出題されています。電気工事の基本といっても良いでしょう。
では、電気工事における絶縁処理が実際にどのように行われるのか解説します。
絶縁テープを使った施工
電気工事における絶縁処理には、「絶縁テープ」の活用が一般的です。
絶縁テープとは、絶縁効果をもたらすテープの総称です。電気工事だけに使われるものではなく、自動車整備など、幅広い場面で使用されています。ホームセンターなどで手に入るものもあります。
巻き方は、絶縁テープを半幅よりも大きくとり、重ねるように2回以上巻いて行わなければなりません。
なお、テープは4層以上必要と定められています。
絶縁処理はケーブルの種類・太さに合わせる
ケーブルの絶縁処理を進める場合は、ケーブルの種類にあわせて行う必要があります。特殊なケーブルを処理する場合は、メーカー別に判断する必要があります。独自の判断はしないようにしましょう。
また、太さによっても絶縁処理が異なります。絶縁テープを巻く回数は、電線が太ければ太いほど増えていくのです。
たとえば、電線の太さが2.0ミリ以下なら絶縁テープを巻く回数は2回以上にする必要があり、5.5ミリを超えて14.2ミリ以下の場合は5回以上巻く必要があります。
絶縁テープの種類
電気工事に欠かせない絶縁テープには、いくつかの種類があります。
- 電気絶縁用ビニルテープ
- アセテートテープ
- ガラスクロステープ
それぞれ詳しく紹介します。
電気絶縁用ビニルテープ
電気工事における絶縁処理で頻繁に使われているのは、電気絶縁用ビニルテープです。ホームセンターでも販売されているので、非常にポピュラーな種類といえます。
耐寒性に優れている塩化ビニルが使われていることが多く、絶縁能力はもちろんのこと、さまざまな場所に柔軟に使えるというメリットもあります。
価格も安定しており、電気工事士必携のテープといえるでしょう。
アセテートテープ
アセテートテープは、使いやすく簡単に手でまっすぐに切ることができる布製のテープです。
アセテートテープも、便利な絶縁処理用テープとして広く応用されています。伸張性はビニルテープの方がありますが、熱に強く耐久性もあるテープです。
ガラスクロステープ
ガラスクロステープとは、布状のクロス素材にガラス繊維を混ぜているもので、耐候性・耐久性に優れているテープです。
こちらも電気工事によく使われているもので、耐熱性の高さから工場での電気工事などにも使われています。
絶縁テープの選び方
豊富な種類の絶縁テープを、実際に使用するときは、どのように選べばよいでしょうか。
結論からいうと、電圧を意識して選ぶことが大切です。
電圧とは、電気を流そうとする力のことです。絶縁処理時には、電圧を抑える効果が必要になります。
電圧を抑えきれない場合は、結果として「通電」してしまうため、感電してしまうおそれがあります。そこで、絶縁テープを選ぶ際には、必ずテープと電圧の相性を確認しましょう。
・テープを巻く回数での対処は可能?
電圧を抑えるためには、テープを巻く回数を増やして対処する方法も考えられます。しかし、この方法は果たして有効なのでしょうか。
結論からいうと、テープを巻く回数を増やすより、電圧に合うテープを選ぶ方がおすすめです。
絶縁テープを巻く回数を増やすことは絶縁処理としては有効ですが、必要以上にテープを浪費する上、作業時間が増えてしまうため電気工事に大きなメリットをもたらすとは言えません。
電圧に合うテープを適切に選ぶ方が、低コスト・短時間で電気工事が進められるでしょう。
電気工事における絶縁処理の注意点
電気工事における絶縁処理は、電気の安全性を確保するために重要な処理です。
絶縁処理を行う際の注意点を3つご紹介します。
- 適切な絶縁テープの種類や厚さを選ぶ
- 絶縁処理を丁寧に行う
- 定期的なメンテナンスを行う
一つずつ解説します。
1.適切な絶縁テープの種類や厚さを選ぶ
適切な絶縁テープの種類や厚さを選びましょう。
絶縁テープには紹介したとおり豊富な種類があり、使用する場所や電圧によって適切なテープは異なります。
適切に選ばないと、絶縁性能が低下し、感電や火災などの事故につながるおそれがあります。また、使用する場所によって、耐熱性や耐水性にも考慮が必要です。
まずは施工する前に、しっかりと必要なテープを見極めましょう。
2.絶縁処理を丁寧に行う
絶縁処理は、丁寧に行うことが大切です。
端部が露出していたり、接合部に隙間があったりすると、電気が漏れやすくなるためです。
接合部をしっかりと接着することが大切なので、絶縁テープをしっかりと巻きつけて、頑丈に仕上げるようにしましょう。
3.定期的なメンテナンスを行う
定期的なメンテナンスを行いましょう。
絶縁処理は、経年劣化によって性能が低下することがあります。絶縁テープにひび割れや破損があると、電気が漏れやすくなるため、早めの修理が欠かせません。
定期的に点検を行い、必要に応じて絶縁処理をやり直しましょう。
注意点を守ることで、安全かつ確実な絶縁状態を保つことができます。
安全な電気工事は電気工事士に依頼を
電気工事は法律で厳しく制限されており、DIYで対応できることは限られています。
ほとんどの電気工事は電気工事士にご依頼いただく必要があります。
気になる絶縁処理部分も、もちろん専門家への依頼が欠かせません。安全に電気を使用するためにも、お決まりの電気工事士を持つことをおすすめします。
まとめ
今回の記事では、電気工事で欠かせない「絶縁処理」について、絶縁テープの種類にも触れながら詳しく解説を行いました。
電気工事は法律で制限があるため、専門の業者に依頼することが大切です。電気工事士は、電気工事に関する知識や技術を持っており、安全かつ確実な工事を行うことができます。
電気工事はぜひ、安心・安全の当社におまかせください。