電気工事は素手で行うものではなく、さまざまな工具を駆使して施工を行っていることをご存じでしょうか。資格取得を目指す方は少しずつ技能をマスターするために工具を扱っているでしょう。そこで、この記事では電気工事に必要な工具について、プロが使いたいアイテムを紹介します。ぜひご一読いただき、電気工事に必要な工具の基礎知識を知っていただければ幸いです。
電気工事のプロが扱う工具とは
電気工事のプロである「電気工事士」は、さまざまな工具を駆使して作業に従事しています。一見すると何に使用しているのかわからないような工具もあれば、ご家庭内でも見かけることが多いペンチなども使います。では、電気工事のプロが扱う工具とは、具体的にどのような特徴があるのでしょうか。
絶縁してあることが基本
ご家庭にあるペンチやドライバーなどは、シンプルな形状でホームセンターなどでも購入できるアイテムです。電気工事士も電気工事の作業のためにペンチやドライバーを活用しますが、ご家庭向けの工具とは明確に異なる点があります。それは「絶縁」についてです。電気工事はうっかりすると「感電」するリスクがあるため、慎重に作業を行う必要がありますが、工具が電気を通してしまうとそこから感電し、死に至る可能性があります。電気工事に使う工具は絶縁体の加工が行われており、電気を通さないようになっています。絶縁については、ご家庭にもしっかり導入されている加工で、家電を使用する際にコンセントをプラグに差し込んでもビリビリと感電をしないのは、絶縁体による加工が行われているからです。
絶縁抵抗と呼ばれる状態が低いと、感電するおそれが高まるため、電気工事のプロは絶縁してある工具を使用します。
便利なツールキットが浸透
電気工事は配線をしたり交換をしたりと、実に多くの作業があるため使用する工具についてもさまざまな種類を手元に揃える必要があります。そこで、電気工事の初心者には便利なツールキットが浸透しています。ツールキットとは、ペンチなどの必要な道具が一式揃っているものを意味します。ツールキットは基礎的な工具が一気に揃うため、活用しやすく便利です。色合いなども統一されているため、マイ・キットとしても大変おすすめです。
電気工事のプロがおすすめする工具とは?
ツールキットのように便利なセットアイテムの中には、具体的にどのような工具が入っているのでしょうか。この章ではおすすめのアイテムをピックアップし、使用用途を詳しく紹介します。
ワイヤーストリッパーとは
電気工事士の資格試験でもお馴染みですが、電気工事の作業には圧着やハンダによる作業が頻繁に登場します。繊細な手つきで仕上げる必要がある工事ですが、端子などを取り付ける際にはケーブルの絶縁部分を丁寧にカットする作業があります。この作業で活躍してくれる工具が、ワイヤーストリップです。ワイヤーストリップはカットしやすいペンチのような形状となっており、銅などをカットするパワーもあります。
ドライバーとは
こちらは市販されているドライバーも多いため、どのような形状が脳裏に浮かぶ方も多いでしょう。ドライバーは電気工事の作業でも頻繁に登場するツールですが、先に触れたように電気工事のプロが使用するものは絶縁加工がしてあるため、通称・絶縁ドライバーとも呼びます。ねじのデザイン別に販売されており、古典的なアイテムであるものの現在でも必須のベスト工具です。一般的なマイナス・プラスのドライバーも絶縁加工がなされたものとして販売されています。
振動ドリルとは
電気工事には建築現場でもお馴染みのドリルも登場します。電気工事に使う振動ドリルとは、下孔を開ける際に必須のアイテムとして知られています。ハンマードリルと呼ばれるものも活躍しているのですが、繊細に穴をあける必要があるときは、振動ドリルによって穴をあけています。大理石などの繊細で高価なアイテムにも慎重な作業を行うときに、重宝されているパワフルな工具です。
電気工事で工具を選ぶ際の注意点とは
電気工事では多くの工具を揃える必要があるため、費用を気にしながら購入を踏み切る方も多いでしょう。では、実際に電気工事で工具を選ぶ際には、どのような注意点があるでしょうか。この章では5つの注意点を紹介します。
1.中古製品選びは慎重に
電気工事の工具は中古市場も活発であり、中古品でひと揃えすることも可能です。しかし、中古品は新品と比較すると劣化していることも多いため、慎重に選ぶ必要があります。工具の損傷の確認を行い、ひび割れや変形、錆などの損傷がないかを注意深く確認します。特に絶縁部分やハンドルの状態を確認し、絶縁が損なわれていないかを確認しましょう。
2.機能を確認しよう
ひと言でドライバーと言っても実に多くのドライバーがあるため、実際に工具を購入する際には機能を確認することがおすすめです。自分の求める効果と購入する工具のスペックが異なっていないか、判断してください。電動工具や計測器など、機能を持つ工具は、購入前にその機能が正常に作動するかも含めて、慎重に確認します。スイッチの動作や各機能の動作確認を行い、不具合や異音がないかを確認しましょう。
3.製造メーカーと製造年の確認
購入する工具の製造メーカーと製造年を確認しましょう。信頼性のあるメーカー製の工具は、一般的に品質が高い傾向があります。また、製造年がわかれば、工具の耐用年数や使用歴を把握しやすくなります。
4.安全規格への適合確認
電気工事で使用される工具は、絶縁加工の有無をクリアしている必要があり、手軽に購入できる市販製品とは異なります。感電リスクを確実に避けるために安全規格を満たす必要があります。特に中古の工具を購入する際には、その工具が該当の規格に適合しているかを確認しましょう。安全性が確保されていることは非常に重要です。
5.ネット購入先の信頼性を確認
中古の工具を購入する場合、信頼性のある販売先を選ぶことも重要です。中古市場では品質や正確な情報が不確かな場合もありますので、実績のある販売業者や信頼できるオンライン販売を選ぶと良いでしょう。
まとめ
この記事では電気工事で使用する工具について、有名なアイテムや工具の選び方を詳しく解説しました。電気工事に使う工具は一般の方向けのアイテムとは異なり、絶縁加工も必要であるため慎重に判断する必要があります。工具1つで大きなトラブルに、という事態を避けるためにも、慎重に購入しましょう。