電気工事の資格には種類がある?電気工事士と電気通信工事士とは

電気関係の工事は基本的にDIYを行うことはできず
国家資格を持つプロに依頼をすることになります。

電気工事関係の資格には、「電気工事士」と「電気通信工事士」があり
一体どのような違いがあるのかわかりにくいかもしれません。

そこで、今回はこの2つの資格について詳しく解説します。

 

電気工事にはどうして国家資格が必要なの?

近年動画サイトや個人のブログなどに電気工事関係の作業動画が増加しています。

こうしたサイトを見ると
「自分でも簡単に電気工事ができるかも」と思ってしまうかもしれません。

しかし、電気工事は危険をともなう作業であり
もしも失敗してしまったら火災のリスクもあります。

適切な電気工事は国家資格を持つプロに依頼をすることによって
はじめて安全に電気を使用することができるのです。

コンセント内部の点検やブレーカーの交換など
一見簡単そうに見える工事も電気工事法の違反になりますので
ご自身では行わないように注意しましょう。

 

電気工事にはさまざまな国家資格が用意されています

では、電気工事をプロに依頼する場合にはどんな方にお願いすれば良いのでしょうか。

電気工事に関する代表的な資格は「電気工事士」です。

電気工事士とはご家庭や商業施設などの電気工事を行っていいですよ、という国家資格であり
第二種電気工事士と第一種電気工事士があります。

第一種は第二種よりも上に該当していますが
一般的なご家庭の電気工事は第二種電気工事士の範囲内のため
第一種に該当していなくて安心して依頼することができます。

第一種は商業施設や工場等、規模の大きな場所の電気工事を扱えるため
仕事が安定しており人気の国家資格の1つです。

この他にも、「認定電気工事従事者」や「電気工事施工管理技士」など
電気と名前の付く資格は多数あり、どの資格もそれぞれの場面に応じて必要となる有名資格ばかりです。

特に電気工事施工管理技士のさらに上位資格には監理技術者という難しい資格もあり
公共工事に必須の資格として多くの人が挑んでいます。

 

電気工事士と電気通信工事士はどんな違いがある?

では、今回の焦点である電気工事士と電気通信工事士には具体的にどんな違いがあるでしょうか。
早速比べてみましょう。

 

1.電気通信工事士とはどんな仕事ができる?

電気通信工事士とは、現在日常生活にも仕事にも欠かせない存在となった
ネット環境を整備するための資格です。

データ通信設備関係はもちろんのこと、放送機械や有線電気通信設備なども網羅しており
ネット環境全般の工事は電気通信工事士が工事できる業務です。

私たちの生活の身近なところで言うと、Wi-Fiや無線LANなどの工事が該当していますね。

以前は電気工事士に比べると業務範囲は小さいというイメージがありましたが
ネット環境が社会生活のインフラ化した今では、重要な資格となっています。

電気通信工事士は電気通信事業法に基づいて作られている国家資格で
オフィス管理などにも欠かせない存在です。

 

2.電気工事士の工事範囲は重複していないの?

電気工事士に関しては冒頭に触れたように、第一種および二種と資格が分けられています。
では、電気通信工事の分野は取り扱えるのでしょうか。

結論から言うと、「一部のみ」扱うことができます。

電気工事士は基本的にブレーカー工事やコンセント関連の工事を請け負うことが多く
電気通信工事を管轄する電気通信事業法とは法律も異なっており
電気工事士に関しては電気工事士法が関連法律です。

同じ電気と言う言葉が付いている国家資格であっても、法律さえも異なっています。
電気工事士が扱えるものとしては、内線に関する工事類などは請け負える範囲内です。

一方で、住宅の電気工事であってもアンテナ工事は通信の法律に定められている工事であり
基本的に電気通信工事士の取り扱い分野になります。

似て非なる工事内容なので、工事業者で多くの住宅や商店を担当しているお店では
両方の資格を有しているスタッフを置いていることも多くなっています。

特に電気工事分野は法律でのくくりはナーバスな部分であり
明確な区切りに迷うこともあります。

そのため安心の工事を請け負う場合には
しっかりと資格と工事範囲を認識することが重要です。

 

電気通信工事士の可能性は広がっている

電気工事士は大変人気のある資格ですが、ネットの拡大を背景に
電気通信工事士もまた可能性に広がりのある資格となりました。

ではここで、電気通信工事士の請け負う具体的な工事内容にもう少し迫ります。

電気通信工事士はネット分野の工事に精通しており
オフィスのパソコン機器やLANの工事、Wi-Fi関係の工事なども請け負えます。

オフィス分野はネット環境の整備が業務の生命線となる部分のため
小規模の中小企業であっても工事が必須です。

街の小さな電気通信工事店でも安定して工事の需要があるほか
マンションやアパートのWi-Fi工事に関しても積極的に請け負っています。

この他に、ちょっと意外かもしれませんが携帯電話の基地局に関しても電気通信工事の範囲内です。
昔はメーカーや地方によっては携帯電話につながりにくい…と言うこともありましたが
スマートフォンが普及し、さまざまなキャリア会社も登場している今
携帯電話の通信環境は格段に向上しています。

普段の生活では目に留まりにくい携帯の基地局ですが、意外と身近なところにも設置しています。

こうした携帯通信関連についても電気通信工事が担っています。
現代社会に無くてはならない通信に関して全般を請け負っており、可能性はまだまだ広がっています。

 

電気工事はどこに依頼すればいいの?迷ったらまずは相談を

ご自宅やオフィスなどで、「この工事はどこに依頼をすればいいだろう…」と迷ったら
どうすれば良いでしょうか。

結論から言うと、電気工事のことに関しては
気軽に電気工事の会社にお問い合わせいただくことがおすすめです。

どちらの範囲であっても資格の所有者が在籍している電気工事店であれば
問題なく業務を受けることができます。

工事の依頼先を迷う前に、現在電気関係で不安に感じていることについて
気軽に相談をすることがおすすめです。

電気関連の設備に異変を感じたら、火災リスクも上がっている可能性があるので
迷わず点検を依頼しましょう。

 

まとめ

この記事では電気工事士と電気通信工事士との違いを中心に、その他の資格なども紹介しました。

電気に関することは、実務経験が豊富な資格所有者におまかせください。
暮らしに欠かせない明るい電気は、プロの手による施工が一番です。