配線工事とはどんな作業なの?電気工事の施工方法や費用を解説

電気工事には色んな種類の作業がありますが、一般的に広く知られている内容は「配線工事」です。
外部から屋内に電気を供給する上で欠かせない工事であり、建物内の照明や家電を安全に使うためにも必要な作業です。

今回は配線工事について詳しく解説を行います。
電気工事にご関心のある方はぜひご一読ください。

 

電気工事における配線工事とはどんな作業?

一般家庭やテナントの内部には当たり前にコンセントが存在し、照明器具や家電類などが稼働していますが、建物が完成したら当たり前に電気が供給されていることに疑問を感じることはありませんか。

壁の中には配線が張り巡らされており、見えないだけで建物の内部には電気を安全に供給するための配線が行き届いています。
それもそのはず、電気工事業者を通して建物内には配線工事が実施されており、この工事が無ければ電気を使うことができません。

しかし、分電盤の設置や配線工事は安全性と利便性を確保するために入居前に完成しており、電気工事の面影を見ることは少ないのです。配線工事はただ配線を張り巡らせているわけではありません。

コンセントにはコンセント向けの、テレビにはテレビ向けの配線があり、適切な処置を行う必要があります。
配線工事には4つの種類があります。内容は以下のとおりです。

 

1.照明向けの工事

私たちの暮らしには照明が欠かせないですよね。
夕方以降も快適に屋内で過ごすためには照明をつけておく必要があります。

照明の設置は配線工事の1つとしてカウントされています。
吹き抜けのような高い位置にある照明も電気工事士が丁寧に作業を行っています。

ダウンライトや一般的な壁付けの照明なども電気工事士による作業分野の1つです。

 

2.テレビ向けの工事

近年一人暮らしの方の中には設置が減ってきているテレビですが、テレビの電波をアンテナへと配線する工事も配線工事の1つです。
電気工事業者の中にはテレビアンテナ工事を専業としている方も多く、アンテナ設置から配線まで一元的に担っている場合もあります。

アンテナからの距離の関係上天井に配線が行われており、屋根の下に守られるような形で配線されています。

 

3.スイッチの工事

照明や換気システムの稼働などに欠かせないのはスイッチですよね。
配線工事の中でも重要な工事の1つです。

スイッチは高すぎても低すぎても不便であり、数が少なすぎると照明のオン・オフも面倒に感じてしまいます。
適切な配置と数が求められる工事のため、事前に施工主と入念に生活動線の確認などが行われる場合もあります。

スイッチは非常に手軽に見える工事ですが壁の内側に配線工事が行われており、一般の方は施工に関わることができません。
スイッチの設置も電気工事士の専門分野の1つです。

 

4.コンセントの工事

配線工事の中で最もポピュラーな工事と言っても過言ではないコンセント工事は、壁に穴をあける必要があるため基本的に新築工事の際に整える工事です。

エアコンのように備え付けの家電を設置する際にも活用されています。
コンセント数は工事の完了後に不足を感じやすいため、設置の前に使う予定の家電や生活動線などを確認しておくことが重要です。

 

ネットワーク関係の工事も主流に

配線の中にはネット環境工事も盛んになっており、一般の過程でもすでにスタンダードな工事として定着しつつあります。
ネットワーク関係の工事の代表格は「LAN工事」です。

優先LANのようにご自身で気軽に設置できるものが主流ですが、新築の入居時にはテレビ関係と同時にネットワーク関係の工事も行われることが多くなっています。

在宅ワークが主流となりつつある今、ネットワーク関係もプロの配線工事を依頼したい、という要望も多くなっています。

 

配線工事はズバリ大変?家の構造に左右されることも

電気工事の中でも主流の配線工事ですが、基本的に壁の内側に施工を行うことにより配線を綺麗に、建物内の隅々にまで及ぶようにされています。

つまり、壁の内側をスムーズに配線できるかどうかが配線工事の重要なキーワードでもあるのです。
家の構造が配線工事に大きく影響しています。では、鉄筋コンクリート造と木造では配線工事に具体的な違いはあるのでしょうか。

 

木造構造と配線工事

木造構造は日本においてポピュラーな構造です。
屋根と柱を軸に建てられているため、壁の自由度が高い施工として知られています。

木造住宅における配線王子は梁の部分を活用します。
次に紹介する鉄筋コンクリート造の建物よりも配線工事はしやすく費用も抑えめであることが大きな特徴です。

 

鉄筋コンクリート造と配線工事

地震大国日本において頑丈な鉄筋コンクリート造の家も人気です。
しかし、木造住宅と比べると配線工事がやや手間になることも事実です。

一般的には壁が完成してしまうと穴をあける作業に大変な労力が必要となるため、コンクリートの躯体が完成した段階で配線工事が実施されます。

コンクリートの内側に施工を完了させておく必要があるため、ガスなどの他の設備もほぼ同時進行で工事を終えます。
工事完了後はコンクリートの厚いヴェールの中に収納されてしまうため、再工事は大変難しいと考えておきましょう。

また、費用も木造構造における配線工事よりも高くなっています。

 

配線工事や電気工事はDIYがほぼできません

照明やコンセントに関係する工事は新築やリフォーム後に「もっとこうすれば良かった」と後悔をしやすい部分です。
しかし、電気工事はご存じの方も多いように電気工事士が施工をする分野です。

気軽に配線を触ろうとすると漏電や感電を引き起こす可能性があります。
安全に電気を使用するためには電気工事士や電気工事の専門業者におまかせいただくことがベストです。

ご自身でできる電気工事はほぼなく、コンセントカバーや照明カバーの交換程度です。

 

施工完了後にアフターケアは必要?

電気工事で使用される配線は大変頑丈であり耐用年数にも優れていますが、その一方で未来永劫に配線が維持できるわけではありません。分電盤も含めて耐用年数があります。施工完了後は10年前後を目安に、アフターケアとしてメンテナンスを実施しましょう。

 

まとめ

今回の記事では電気工事の中でもポピュラーである「配線工事」に注目をしてお送りしました。

配線工事が無ければ私たちの暮らしは暗いものになってしまうのに、建物の構造内に施工されているので、普段は目にする機会が少ないものです。

ぜひこの記事をきっかけに、配線工事にも関心を向けてみてくださいね。
また、施工後は10年前後を目安に配線のメンテナンスを実施してみてください。