電気工事における屋内配線工事とは、どんな作業をしているの?

屋内配線工事とは、電気工事の基本です。
電気工事においては屋内で安全に電気を使えるように、屋外から配線を使って電気を供給させる必要があります。

この工事は国家資格である「電気工事士」の資格を持つ作業者が従事します。
この記事では屋内配線工事に内容について詳しく解説します。

 

屋内配線工事の概要

電気工事士が実施している「屋内配線工事」とは、建物内の配線工事を意味します。
電柱から家の内側に電気を供給することを「外線配線工事」と呼んでおり、明確に分けて作業が実施されています。

屋内配線工事は家の外側に付けたメーター、建物の入り口などに付属された分電盤から屋内に配線を張り巡らせ、建物内の照明やコンセントに電気を供給する工事です。

つまり、ブレーカーから屋内のあちこちに配線を施工することがメインの仕事なのです。
新築時には分電盤の設置を行い、屋内で万全の体制で電気が使えるように整備を行います。

 

分電盤やブレーカーはどうして設置されるのか

住まいに設置されている分電盤はブレーカーを収納しているボックスです。
分電盤はその文字にあるように、電気を必要な部屋へと分ける役割があります。

電気はカイロを通じて必要なスペースに分けられているのです。
分電盤は開けるとアンペアブレーカーなどが収納されています。

電気を安全に使うためには分電盤の設置は欠かせない存在なのです。
では、ブレーカーとは一体どんな役割を果たしているのでしょうか。

電気は必要に応じて遮断機であるブレーカーを使う必要があります。
電気は供給をすることが重要ですが、その一方で過剰に流れてしまうと漏電してしまう可能性があります。

漏電をしてしまうと火災に発展してしまう可能性があります。
そのため、過剰な供給が発生しそうになったら、ブレーカーが遮断をしてくれます。

エアコンなど消費電力が大きい家電をいくつか同時に使うと、「ブレーカーが落ちる」場合がありますよね。
これは火災を防ぐための重要な措置なのです。

 

ブレーカーには3つの種類がある

さて分電盤のボックスの中に収められているブレーカーですが、実はブレーカーの種類は1つではありません。
3つの種類が収められています。

まず1つ目は「アンペアブレーカー」と呼ばれるものです。
アンペア数は電力会社との契約時に決めるもので、この契約を超える供給が発生するとアンペアブレーカーが遮断します。

アンペアブレーカーは非常に重要な装置であるため、分電盤の中でも目立つような存在として設計されています。

2つ目は「漏電ブレーカー」です。

漏電ブレーカーとは漏電を感知したら遮断するブレーカーで、分電盤の中で見つけようとするとテストボタンが付属しているのでわかります。

電気を過剰に使ったから落ちるアンペアブレーカーとは異なり、漏電ブレーカーは漏電を感知して遮断するため、その背景には重篤な症状が起きたことが伺えます。

漏電ブレーカーの作動大きなトラブルの予兆です、もしも何度も落ちているブレーカーが漏電ブレーカーの場合には、早めに電気工事士に点検作業を依頼しましょう。

最後に3つ目が「安全ブレーカー」です。
安全ブレーカーとは各回路に供給できる電気の供給量がオーバーした時に作動する装置です。

役割としてはアンペアブレーカーの小型版、と考えると良いでしょう。
この3つのブレーカーがご家庭などの電気供給を支えているブレーカーです。

分電盤の中でさまざまな危険を察知して稼働しています。

 

屋内配線工事の流れとは

では、電気工事士が実際に屋内配線工事を行う際には、どんな流れで行われるのでしょうか。
ここからは屋内配線工事の流れについて詳しく解説します。

まず、屋内配線工事は基本的に一番大掛かりな工事として実施されるのは「新築時」です。
ご家庭における配線は、普段目の届かないところにありますが、基本的に壁の内側や天井などを辿って配線が行われているためです。

つまり、新築時の工事では家が完成する前に行われている工事なのですね。

配線工事は隠ぺい配線とも言われており、漏電や害獣によるいたずら、お子様が触ってしまうリスクなども踏まえ、基本的に目につかないように施工を進めます。

マンションやアパートも配線がむき出しになっているお部屋はなく、完成前に必要な屋内配線工事は完了しています。

屋内配線工事は棟上げが終わると、直後に行われることが多く、数日間欠けて設計図に沿って屋内配線を進めます。
工事の前段階として設計図が書かれていますが、この設計図には配線のうちやコンセントの位置などが書かれています。

もしも新築時にコンセント数などに不安がある場合には、予め設計図の段階から要望を伝えておくことがマストです。
エアコンの設置に伴うコンセントの配置なども、この屋内配線工事の段階で完了します。

もちろん、新築住宅が完了したのちに、必要が生じればコンセントの追加工事が行われることもあります。
電気工事は電気工事士が実施する必要があり、追加工事もDIYはできませんので注意しましょう。

 

失敗のない屋内配線工事とは

屋内配線工事の基本は「設計図」です。

施工は思い付きで遂行するわけではないので、どこにどんな配線を引くか、分電盤の位置はどこにするのかなど、施工の前段階で図面が完了しています。

では、施工主側からすると、失敗のない屋内配線工事を実施するにはどうすれば良いでしょうか。
結論から言うと、「生活動線」をはっきりとイメージし、設計図に落とし込んでもらうことが大切です。

どこにどんな家電製品を置くのか、どんな照明器具を設置し部屋の使用用途は何か、イメージをできる限り固めておき、生活動線を明確にしておくことが重要です。

生活動線のイメージが固まっていると、コンセントの数や位置の決定に失敗が起きにくくなります。

電気工事関係はついついプロ任せになりがちですが、「ここにもコンセントが欲しかった」などの後悔が起きないように、予め決めておくようにしましょう。

 

こんな時は電気工事士に相談を

屋内配線工事が完了し、無事に入居後暮らしていると、頻繁にアンペアブレーカーが落ちてしまうことがあります。
でも、どうしてアンペアブレーカーが落ちてしまうのでしょうか。

ンペア数は電力会社との契約によって決められており、家族人数の変化などによって供給量が足りなくなる場合があります。
少なすぎる量で契約していると、頻繁にブレーカーが落ちてしまうのです。

こんな時は電気工事士に相談し、アンペアの見直しなども含めて検討しましょう。

 

まとめ

この記事では電気工事における屋内配線工事に関して詳しく解説を行いました。
いかがでしたか、電気工事は難しいように感じ、プロ任せになりがちですね。

しかし、文中に解説のとおり施工主の方でもアイディアや要望は、設計図作成の段階でしっかりと意思表示を行うことができますよ。
後悔の無い屋内配線工事を目指しましょう。