引き込みとはどのような作業?|電気工事の作業内容を詳しく解説

電気工事にはさまざまな作業内容があり、そのなかには「引き込み」と呼ばれる作業があります。

引き込みとは、電気を建物の中に供給するためには欠かせない工事です。今回の記事では、電気工事のなかにある「引き込み工事」に注目します。

 

引き込み工事の概要

電気工事には、引き込みと呼ばれる作業があります。引き込み工事とも呼ばれていますが、そもそもどのような工事なのでしょうか。

電気工事の作業のなかで引き込みとは、建物など、電気が必要な箇所に対して配線工事を行い、安全に電気を引き込む作業を意味します。

引き込み工事にはいくつかの種類があり、詳しくは以下の通りに分類されます。

 

引き込み工事の種類とは

引き込み工事にはいくつかの種類が挙げられます。まずは、広く知られている工事は「単相2線式」と呼ばれる工事です。

この工事は2本ある電圧線を1つとみなします。一般的な住宅に必要な引き込み工事は単相2線式であり、非常に多くの現場で見かける工事です。

現在日本の多くの一般向け家電製品は100Vを基準に作られています。類似している工事に「単相3線式」と呼ばれるものもあり、アンペア契約数が大きい家庭などに使用される工事です。

このほかに、三相3線式と呼ばれる工事もあります。

 

高圧の電流はどのように変換されているのか

普段私たちが当たり前のように消費している電気は、発電所で作られたままの状態で引き込みが行われているものではありません。

高圧の状態をそのまま自宅に引き込んでしまうと、一般住宅向けの配線では火災が発生してしまうおそれもあります。高圧の電流は、電圧の供給に耐えられるだけの処理を行ったうえで配線工事を行っています。

それでも高圧の電流はリスクがある状態のため、変電設備を使って電圧を低下させています。

高圧や低圧は安全に電気を使うために欠かせないものであり、適切に処理を行う必要があります。高圧の電流は適応できる施設に対して、電圧を下げて供給されているのです。

 

引き込み工事の作業内容

電気工事のなかでも、建物に電気を供給するためには引き込み工事の存在が欠かせません。では、実際に工事ではどのような作業が実施されているのでしょうか。

代表的な作業の1つ目は「PAS」です。

この作業は全国的に広く行われている工事の1つで、「気中負荷開閉器」と呼ばれるものを使います。停電トラブルを防ぐ効果のある工事です。

2つ目の作業は「柱工事」です。

この作業は、建物に電気を供給するために電柱を設置する工事を意味します。

一部都市では電線は地下に敷いていますが、多くの地方都市では電線を使った電気供給がポピュラーであり、電線や電柱にまつわる電気工事は欠かせない存在です。

特に新興住宅を形成するときは、電気の供給体制ができていないため、柱工事が行われることが多くなっています。こうした具体的な作業内容を遂行させながら、引き込み工事が進められています。

 

住まいに引き込み工事が必要になったらどうするのか?

新築やリフォームなどをきっかけに、電気を使うための設備を導入する際には、新たに住まいに対しての引き込み工事を実施する必要があります。

では、電気工事のなかでも引き込み工事が必要となる場合には、どのように対処すれば良いでしょうか。

 

主流の引き込み工事を知っておこう

引き込み工事を一般的な住まいに対して行う場合には、電線から配線を使って直接電力供給を行うための工事が主流となっています。

多くの住まいでは建物に直接電力メーターが付属されています。引き込み工事と連動しているため、メーターが付属しているのです。

建物が電線と近ければ良いですが、そうではない場合には別の方法を模索する必要があります。電線の引き込みにはルールが定められており、基本的に「40メートル」を超えないように工事を行います。

・引き込みされる配線にはなぜルールがあるのか

電柱との距離がある場合、配線を伸ばして住まいに接続させたいと感じる方も多いでしょう。
実際に配線さえ行ってしまえば電気は供給できるため、極めてシンプルでわかりやすい工事です。

しかし、配線が長すぎる場合には弊害があることも知っておく必要があります。

配線が長すぎると、だらりとぶら下がってしまい、建物などに触れてしまう可能性があるのです。そのため配線の長さには原則として40メートルという規定が設けられています。

規定以内に収まらない場合には電柱の設置が求められており、新築やリフォームの家に引き込みを行う場合には、できる限り早く電気工事業者側に相談を重ねておく必要があります。

工事に関しての申請には1ヶ月以上の期間を要することもあるため注意してください。

・道路上の規定も設けられている

配線が長すぎると垂れてしまうリスクがあり、道路に関しても高さの規定が設けられています。

通行人はもちろんのこと、車両が接触することも防ぐためにも道路から5メートルの高さが確保されていることが求められます。

 

引き込みは丁寧な打ち合わせが必要

引き込み工事を実施する際には、建物のどの場所に接続させるのか、メーターはどこの位置になるのか、電気工事業者側と打ち合わせをすることが大切です。

打ち合わせをおろそかにすると、「この場所には付けてほしくなかった」と感じる場所に工事をされてしまう可能性があります。

分電盤の設置などにも同様のことが言えます。

電気工事や引き込み工事は基本的に電気工事業者に任せる流れになりますが、設置箇所などの要望はしっかりと伝えなければトラブルとなるおそれがあります。

ハウジングメーカーやリフォーム業者などを通して電力関係の工事を手配することが多いですが、要望は通るようにしっかりと伝えておきましょう。

近年では建物に直接配線を接続させることを避ける方法も増えており、検針員が自宅敷地内に入らない方法で工事をすることも可能です。

電気工事は常にアップデートされているため、好みの施工を調べたうえで伝えてみることがおすすめです。

 

まとめ

今回の記事では、電気工事のなかでもポピュラーな工事で知られている引き込み工事について、詳しく解説を行いました。

電気工事は暮らしをいきいきと過ごすための活力であり、必要不可欠なものです。引き込み工事も含めて、安心できる電気工事の専門家に依頼してください。