「ブレーカーから変な匂いがするけど、大丈夫だろうか?」
「長年使っているブレーカーに、耐用年数はあるの?」
自宅の電気を安全に使用するためには、適切にブレーカーを扱う必要があります。
この記事ではブレーカーの安全性について、電気工事のタイミングの視点で詳しく解説します。
ブレーカーの役割
私たちの住まいは、照明や家電製品などを多用しており、電気がなければ生活できません。わずかな停電でも驚いた経験がある方も多いでしょう。
では、自宅の電気の利用において、ブレーカーはどのような役割を果たしているのでしょうか。
ブレーカーは安全装置
家庭にあるブレーカーは、電気を安全に建物内に供給するための「安全装置」の役割を果たしています。
住まいの中で電気の配線を見かけることは少ないですが、コンセントや照明などには配線が通っており、日々電気が供給されています。過剰に電気が供給されたり、漏電が発生したりすると、配線から火災が発生するおそれがあります。
しかし、ブレーカーがあればこうした異変を察知できるため、速やかに電源をダウンさせられます。大規模な火災を防ぐためにも、ブレーカーは常に安全に稼働する必要があります。
ブレーカーの種類
ブレーカーが安全にその役割を遂行するためには、3つの種類のブレーカーが常に安全に稼働している必要があります。
1つ目は「アンペアブレーカー」です。家庭への電気供給は、無限に供給されるしくみではありません。契約されている量のなかで配電されています。たとえば、40アンペアの契約の場合40を超える電気の使用量が発生しそうになったら、アンペアブレーカーがダウンします。
2つ目は「漏電ブレーカー」です。漏電ブレーカーは漏電を感知した際に稼働するものです。漏電は火災や感電のリスクが非常に高いため、早期に発見し修理を行う必要があります。漏電ブレーカーが落ちたら、電気工事業者に点検を依頼することがおすすめです。
最後の3つ目は安全ブレーカーです。安全ブレーカーとは、各部屋への配電をコントロールするための装置です。これら3つのブレーカーが、分電盤の中に納まるようにして設置されています。
ブレーカーに耐用年数はあるのか
私たちの暮らしに密接に根付いているブレーカーは、いつまでも長持ちしてほしいものです。
そのようなブレーカーにも、分電盤本体や配線などとおなじように耐用年数があります。耐用年数とは「平均寿命」とも呼べるもので、長年使用しているとこれくらいの年数で壊れるという目安を意味します。
ブレーカーの場合、耐用年数はおおよそ15年程度ともいわれていますが、この数字はあくまでも法定耐用年数であり、より短い使用期間でダメージが起きることもあります。
15年前後は平均的に維持できることが多いですが、新規設置後10年を超えた段階で、電気工事の専門家によるメンテナンスを受けることがおすすめです。
また、ブレーカーのメンテナンスを受ける際は、分電盤本体のメンテナンスも受けると良いでしょう。
ベストタイミングは10年~15年
電気工事によるブレーカー交換のベストタイミングは、約10~15年程度です。
一方で、故障などの異変により交換をする場合は、以下に挙げる交換の目安となるトラブルを参考にしてください。
ブレーカーはどのようなタイミングで交換すべき?
ブレーカーは暮らしの電気を司る装置であり、もしも突然壊れてしまったら、暮らし全体に大きな影響を与えてしまいます。
では、ブレーカーはどのようなタイミングで交換をするべきでしょうか。この章では電気工事による交換のタイミングの視点から、詳しく解説します。
古くなったブレーカー特有のサインとは
まずは、自宅のブレーカーの位置を再度確認しましょう。古くなったブレーカーには、共通している特徴がいくつか挙げられます。
たとえば、分電盤から少し焦げるような匂いがしたり、分電盤がすすけたような色合いをしていたりと、些細でも明らかな変化がある場合は、分電盤内が劣化している可能性が高いでしょう。
また、古くなった分電盤は頻繁にブレーカーが落ちる傾向があります。漏電していないのに、漏電ブレーカーが落ちている場合には、配線トラブルが発生しているおそれもあります。
安全ブレーカーが頻繁に落ちる場合もブレーカー上の問題が発生している可能性があるため、交換を視野にメンテナンスが必要です。
異音・異臭は交換のベストタイミング
ブレーカーには法定耐用年数が設定されています。交換の目安は15年よりも、少し前倒しに設定しておくことがおすすめです。
たとえば、異音や異臭は分電盤内で焦げが発生している可能性があり、ある日突然火災に発展するおそれがあります。こうした異常を見つけたら、早期に電気工事を依頼することがおすすめです。
些細な異変も逃さないこと
ブレーカーに異変が起きている場合、テレビの映像が乱れたり、家電の使用に違和感があったりと、些細な変化を感じることがあります。
また、電気関係の製品を触ったときに、静電気のようなしびれが発生したら、漏電が起きていることも否定できません。
日常生活のなかで電気にまつわる小さな異変を感じたら、まずは電気工事業者に相談することがおすすめです。
ブレーカーのトラブルを放置するとどうなる?
私たちの暮らしのなかで、日々奮闘しているブレーカーですが、もしも電気工事で交換を行わず、トラブルを放置してしまったらいったいどのような変化に発展するでしょうか。
電気が使えなくなる
分電盤やブレーカーなど、電気の配電をメインとしている機器のトラブルを放置していると、ある日突然分電盤本体などが停止してしまい、電気全体が使えなくなってしまうおそれがあります。
火災・感電リスクが上がる
電気は非常に強力なものであり、正しく管理ができていないと火災や感電が発生するリスクが急上昇します。火災や感電のリスクを避けるためには、こまめにブレーカーの点検や交換を行うことが大切です。
近隣のトラブルにもつながる
火災や感電などは大規模な火災にもつながる可能性があります。近隣のトラブルにつながってしまう可能性もあるため、注意が必要です。
暮らしの電気は電気工事に相談を
私たちの暮らしを支えてくれる家庭用のブレーカーには、法定耐用年数による寿命が設定されています。また、毎日使用するブレーカーは、故障が起きることもあります。
なにも異常がなくても、まずは10年前後の使用期間を過ぎたら電気工事の専門家にメンテナンスを依頼しましょう。