電気工事にはさまざまな作業内容があり、代表的な工事内容としては「配線工事」が知られています。
配線工事とは、電気を適切に使用するために配線を敷く工事を意味します。この記事では、配線工事の概要や、作業時の注意点について詳しく解説します。
配線工事の概要
電気工事の代表的な作業として広く知られる配線工事は、いったいどのようなものでしょうか。
この章では配線工事の概要をわかりやすく解説します。
配線とは、電気の道づくり
配線工事は、電気を使いたい場所に配線を敷いて電気を届ける工事です。配線とは電気の通り道であり、安全かつ適切に設置する必要があります。配線がない場所では電気が使えません。
たとえば、建物内の照明やコンセントには、配線を使って電気が供給できる体制が整っています。配線は壁の内側や天井に敷かれることが多く、目に見えないところに施工されています。
その理由は配線の断絶などが起きてしまうと、火災や火傷、最悪の場合には人命に大きくかかるトラブルが予想されるためです。
配線工事には2つの種類がある
私たちの暮らしに欠かせない配線工事には、2つの種類があります。1つは「内線工事」と呼ばれるものです。内線工事の内容は、屋内における配線工事を意味します。
屋内配線は、建物の内側に配線工事を実施することを意味します。コンセントや照明に届くように配線工事を実施することが多く、エアコンの設置工事なども配線を必要とすることが多いでしょう。
また、配線にもいろいろな種類があり、ネット環境の整備に関係する配線工事も該当します。電話線なども含みます。
もう1つは「外線工事」と呼ばれるものです。
内線工事とは対照的に、外での配線作業を意味します。電気を建物に向かって安全に供給するためには、配線工事を実施し、電気を安全に届ける必要があります。
日本ではまだ多くのエリアで、電線を見かけます。電線は配電をするために欠かせないアイテムです。変圧器や電柱本体の設置なども、配線工事の一環として行われています。
配線工事は電気工事の要
配線工事は、建物の内側と外側の両方に発生する工事です。最近は電柱をあえて設置しないエリアも増えていますが、山間地帯などを乗り越えて安全に送電するためには、まだまだ電線の配線工事は欠かせません。
電気は私たちの生活の要であり、安全な使用には配線が欠かせないということは「配線工事とは電気工事の要」といえるものです。
電気工事に携わる以上は、配線工事の知識は欠かせないでしょう。
配線工事に携わる際の注意点とは
電気工事のなかでも最重要の作業といえる配線工事に携わる場合には、「資格」が必要です。
電気工事に必要な資格
電気工事には、「電気工事士」と呼ばれる資格が必要です。
電気工事士は電気工事への登竜門となる資格の1つで、第一種と第二種があります。電気工事士は国家資格の一種であり、難易度は高いものの、取得後は活躍できる機会が広いため人気の資格でもあります。
また、受験資格に制限が設けられていないため、男女はもちろん、学歴も問われず挑戦できます。
身近な電気工事は無資格でできるのか?
コンセントやスイッチの故障、分電盤の点検など、日常のなかで発生しやすい電気工事は、無資格で挑戦できるのでしょうか。電気工事は電気工事士による作業が欠かせず、基本的に無資格による電気工事はできません。
無資格で作業をしてしまうと、感電や発火のリスクが高まってしまううえ、法律に違反します。軽度の点検をしてみたいと思っても、専門家に依頼するようにしましょう。
特に配線はむやみに断絶してしまうと、大きな感電を起こす可能性があります。
配線工事でよくあるトラブルとは
では、資格を取得し実際に電気工事に携わるようになると、いったいどのようなトラブルを経験しやすいのでしょうか。
配線工事でよくあるトラブルは、以下のとおりです。
・作業ミス
電気工事は配線を正しく敷く必要がありますが、通電している状態で作業をすると、非常に大きなトラブルとなる可能性があります。感電してしまうおそれがあるからです。
電気は非常に強力なものであり、うっかり触れてしまうと即死してしまう可能性があります。また、作業ミスによって配線トラブルが起きていると、火災が発生してしまうおそれもあります。
・施工後のトラブル
電気工事士による配線工事が終わると、一般的な建物の電気工事全体が完了したことを意味します。しかしそのあと、家電製品を実際に稼働させようとすると、電気が流れていないことが発覚することがあります。
つまり、施工ミスです。単純な施工ミスは電気工事全体が完了したあとに発覚することがあります。エアコンなどを使おうとしても稼働せず、電気工事のミスが発覚することがあります。
電気工事のミスを減らすためには
配線工事をはじめとする電気工事のミスは、大規模な火災や作業員の死亡事故につながるおそれが高いため、徹底して防止する必要があります。
では、電気工事のミスを少しでも減らすためには、いったいどうするべきでしょうか。
配線工事のような基礎的な工事であっても、まずは施工図を必ず確認し、当日はミスがないように丁寧な作業を心がける必要があります。また、電気工事には絶縁体となる衣服を身に付ける必要があります。
天候によっては猛暑の中で作業する必要もあり、絶縁体の衣服を身に付けることはストレスにもなりやすいですが、安全性を確保するためにも、しっかりと身に付けましょう。
停電させることも忘れずに
電気工事の基本は、停電です。特に配線作業を行う際には、作業範囲における停電をしっかりと行う必要があります。電気が入ったままの作業は感電リスクが非常に高くなるためです。
ただし、漏電箇所の確認などで通電を確認するケースもあります。
原則として、配線工事は無理なく作業をするためにも、停電させ、簡易照明を使って作業を行うように注意してください。
まとめ
この記事では、電気工事のなかでも最もポピュラーといえる配線工事について詳しく紹介しました。
電気工事には私たちにとって身近なものであり、特に配線工事は暮らしに密接している工事です。配線工事に携わるためには、電気工事士の資格をしっかりと取得したうえで、作業に臨みましょう。