「ここにもコンセントがあったらいいのにな」と感じたら、コンセントの増設工事について考えてみましょう。では、コンセントの増設は、自分でできる工事なのでしょうか。今回は関心を持つ方が多いコンセント増設について詳しく解説します。
コンセントの増設は専門家に依頼を
家族人数の増加や、在宅ワーク化などによって、既存のコンセント数では不足を覚える方は少なくありません。タコ足配線状態で暮らしている方もいるのではないでしょうか。
しかし、コンセント周辺を過密な状態にしておくと、火災のリスクも高まるため、できる限り早期に解消することが望ましいのです。では、コンセントの増設は自身でできる工事でしょうか。
結論から言うと、コンセントの増設は自身で行えません。専門家である電気工事士が工事を行う必要があるため、DIYではできないのです。
有資格者でなければコンセントの増設はもちろん、スイッチの増設や点検なども行えません。電気工事は知識や技術なく行うと、感電してしまうおそれがあるうえ、火災も発生する可能性があります。必ず電気工事士や電気工事会社に依頼しましょう。
電気工事士や電気工事業者へ依頼しよう
コンセントの増設や、不具合に関する相談は、電気工事士に相談するか、電気工事業者に依頼することがおすすめです。
コンセントの増設の場合、どこに、どの程度の量を追加したいのか、ブレーカーの交換や電気契約の切り替えは必要なのかなど工事内容に応じて費用が異なっています。
また、業者によっても工事費用には差異があるため、依頼する前に複数の電気工事士や電気工事業者から見積もりを取ることがおすすめです。
ブレーカーから距離があったり、複雑な配線工事を要したりする場合は費用が高くなる可能性があります。既存の配線から分岐させることが難しい場合、別の場所にコンセントを増やすことで費用を抑える効果もあります。
電気工事は経験豊富な業者に依頼すると、さまざまな提案が可能です。
工事の難しさで施工費用が異なる
電気工事は一律料金制ではなく、工事の難しさによって費用が違います。コンセントは当たり前に壁付けに設置されていますが、新築時やリフォーム時には壁の内側に丁寧な配線工事を実施しています。
つまり、増設する場合は壁の内側に配線を通す必要性があるのです。壁内を通すケースでは、既存の構造に影響を与えないように配線工事を行う必要があり、天井や床下への配線工事も視野に検討しなければなりません。
大がかりな工事になりやすいため注意が必要ですが、リフォーム時の依頼なら希望の場所にコンセントを増設しやすいためおすすめです。露出配線は踏んでしまったり、ペットに噛まれてしまったりするなどのリスクがありますが、壁内への配線工事よりも費用は安価です。
壁に沿うように配線すれば案外目立ちません。しかし、露出が気になる場合は再度工事をせざるを得ないため、慎重に判断しましょう。このように、コンセントの増設は工事の難しさによって施工費用が違います。
依頼の際にはどのような施工内容にするのか、じっくり検討しましょう。
コンセントの増設箇所が多い場合
コンセントの不足を解消するために、一度に複数の箇所へ施工を検討する場合、知っておきたい電気工事の注意点があります。
・増設費用が高額になる
コンセントの増設は工事の難しさによって施工費用が違います。複数の複雑な工事を依頼する場合は増設費用が高額になる可能性があります。
特に、壁内の複雑な配線工事は費用が高くなる傾向があるため注意してください。費用に不安がある場合は、相場感覚を掴むためにも見積もりを活用するようにしましょう。
・アンペア契約の見直しが必要
同時にコンセントを複数の箇所に増設する場合、既存のアンペア契約では大きな負荷がかかってしまい、頻繁にブレーカーが落ちる可能性があります。
特にエアコンを同時に複数台増やし、急に稼働を開始すると、これまでのアンペア契約では電気を補いきれない可能性が高まります。増設と同時にアンペア契約を見直す必要があるケースも多いため、どのような家電を使うために増設したいのか、専門家に相談のうえでコンセントの増設を決めましょう。
コンセントの増設工事にはどのような種類があるの?
コンセントをもっと増やしたいと考える場合、壁に新規のコンセントが設置されるイメージを思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、実際には工事内容には複数の種類があります。
コンセントの新規設置
今までコンセントがなかった箇所に、新規でコンセントを設置する場合は「新規設置」と呼ばれる工事が行われます。新設工事は今まで使っていなかった場所に家電製品を設置したり、模様替えで既存のコンセントが使えなくなったりした場合などにおすすめの工事です。
また、タコ足配線ですでにコンセントの使用が過多となっているときも検討しましょう。
差し込み口の変更
既存のコンセントを変更することも、増設工事の1つです。たとえば、コンセントの差し込み口が1つしかなかったところを2つへ増やすなどの工事が該当します。
古くなったコンセントを使いやすく最新型へ交換する工事もおすすめです。
電圧の切り替え
コンセントはあるものの、電気使用量が多い家電製品を新たに使う場合には、電圧を切り替える工事が必要となります。たとえば、エアコンやオーブンレンジなどです。
1,000ワット以上の電気を消費する場合は、コンセントの見直しを行いましょう。なお、必要の有無がわからない場合は、自宅のブレーカー内を確認すればわかります。
200Vに対応しているかどうか、ブレーカーの配線数で把握できるためです。家電製品の前に、現在の住まいにおける電気使用状況を確認のうえで工事することがおすすめです。
別の電気工事を合わせて依頼することもおすすめ
コンセントの増設工事は電気工事士の得意分野の1つであり、そのほかにもさまざまな施工を実施していることはご存知でしょうか。電気工事はまとめて依頼することで、お得に施工してもらえることもあります。
照明やブレーカーの交換など、ぜひこの機会に検討してみてください。
まとめ
この記事では電気工事の注意点について詳しく解説を行いました。コンセントの増設は安全に施工する必要があり、電気工事士に依頼する必要があります。
自己判断で工事をするのではなく、些細な配線工事であっても必ず電気工事士に依頼してください。