暮らしに身近な電気工事のケーブルにはどのような種類や使い方があるの?

私たちの暮らしに身近な電気工事ですが、電気工事士の専門分野のため工事の概要やケーブルについては案外何も知らないですよね。
電気工事に使うケーブルも、決して1つではなく多数の種類があります。

この記事では電気工事のケーブルの種類や使い方に注目します。
ぜひご一読ください。

 

電気工事とは一体どのような工事をしているの?

日常生活を営む中で、電気を使わない日はほとんどありません。
朝起きて照明を灯したときから、夜の就寝でスマホを充電して眠るその時まで、毎日多くの電気を使用して暮らしていますよね。

しかし、毎日こんなにも繰り返して電気を消費しているにもかかわらず、私たちは自身の手で電気工事を実施することはほとんどないはずです。

それというのも、電気工事は「電気工事士」という資格が無ければ施工することができないからです。
コンセントもスイッチも、分電盤の中の工事も、電気工事士の資格が無ければ施工してはいけない、と法律上で定められています。

一般的な住まいなら「第二種電気工事士」、大型の工場や施設の場合には「第一種電気工事士」の資格が必要です。
つまり、とっても身近な存在にもかかわらず、電気工事は自身では扱えない分野なのですね。

電気工事は主に配線工事や鉄道に関する工事などに分けられています。
特に配線工事は電気工事の基本分野であり、屋内・屋外を問わず広く実施されています。

配線工事が無ければ必要な場所に光を灯すことはできず、家電製品を動かすこともできません。
電気を確実に使用するためには、配線工事を欠かすことはできないのです。

 

配線工事の概要とは

私たちの暮らしに電気を供給させるためには、安全で確実な配線工事を実施する必要があります。
配線工事は屋内と屋外に分けて考えることができます。

まず1つ目は「屋内配線工事」です。
一般家庭の場合は第二種電気工事士の資格で工事することができます。

テレビやネット回線などの配線を天井などから引き入れ、コンセントやスイッチにつないで稼働できるように工事を実施します。
エアコンのように壁に空気を開ける工事も同様です。2つ目は「屋外配線工事」です。

こちらが外線工事とも呼ばれているもので、電柱から電線で電気を供給するための工事、発電所から電柱に電気を供給するのがメインの施工内容です。

電柱に関する電気工事がメイン業務となり、停電時などの復旧対応や変圧器に携わる工事なども実施されています。

 

電気工事に使うケーブルとはどのようなもの?

電気工事には安全に電気をあちこちへと運ぶために、配線工事の中でケーブルを使う必要があります。
では、一体どのようなケーブルの種類があるのでしょうか。

さまざまな場所にさまざまな方法で電気を供給する必要がある以上、ケーブルの種類も1つではありません。
また、電線とケーブルも異なっています。

電線は電気を送るための金属線全般の名称です。
一方でケーブルとは電線の一種であり、外線工事や屋内配線工事では種類が異なります。

使う場所によって強度などを変える必要があるからです。
ケーブルは複数の電線を1つにして包装状態にし、絶縁の性能があるものを指します。

つまり、複数の電線を強力にまとめることで完成させているのが、ケーブルなのですね。
やや難しいですが違いがあるのです。

 

電気工事に使うケーブルの種類をマスターしよう!

ここからは電気工事に使うケーブルの種類について、具体的に触れていきましょう。
電気に使うケーブルには主に5つあります。

早速1つずつ詳しく解説します。

 

VVFケーブルとは

実はとっても身近な存在であるVVFケーブルですが、なかなか馴染みのないケーブルですよね。
通称はFケーブルとも言い、灰色のカラーが特徴の1つです。

このケーブルは絶縁ビニルによってコーティングされているケーブルの1つで、 600Vまで耐久することができます。
低圧屋内向けの配線のため、一般家庭でも広く使われているケーブルです。

形状が特徴的で、平たく、屋内の建物に這わせやすい設計になっています。
低圧向けのため共用できる温度は低く60度までのみです。

第二種電気工事士を目指す場合には、必ず通過する必要があるケーブルです。
VVFケーブルと同等のスペックのものを丸い形状にしたものは名称が異なり、VVRケーブルと呼ばれています。

VVRも一般住宅の配線工事に広く使われています。

 

エコケーブルとは

エコケーブルの名称で愛用されている屋内配線用のケーブルは「EM-EEF」です。
このケーブルはVVFとは異なり耐用できる温度が75度まであります。

しかし使いにくい側面も多く、使う頻度としてはVVFの方が勝っていると言えるでしょう。
材質にはポリエチレンが使われています。

 

CVケーブルとは

ここまで解説した屋内向けの配線とは異なり、CVケーブルはズバリ、屋外用です。
このケーブルは許容できる温度も高くなっています。

電柱から一般住宅や小規模もテナントにケーブルを引き込み、配電盤にまで引き込む際に使用されている電線です。
耐久性も高い作りになっており、材質にはポリエチレンなどが使われています。

汎用性が高いケーブルで、さまざまな場所で活躍するケーブルです。
このケーブルを束上にしたものをCVTなどの名称で呼んでおり、多くの場所で活用されています。

 

テレビアンテナケーブルとは

こちらは名称にあるとおり、テレビを安全に視聴するために使われるケーブルです。
テレビアンテナケーブルは受信した電波をテレビにまで供給するもの、とイメージすればわかりやすいでしょう。

なお、スマホの復旧により活躍の機会は減ったものの、電話線もケーブルの1つです。

 

LANケーブルとは

オフィス環境でも馴染み深いLANケーブルはネット回線を安全に使うためのケーブルで、ご家庭でも多く使用されています。
ルーターに接続して使ったことがある人は多いのではないでしょうか。

元々は剥き出しの状態で使うことが多かったですが、どのオフィスやご家庭でも当たり前に使われるようになった昨今では、露出を控える工事が行われる場合もあります。

特にオフィスでは多数のケーブルが乱雑になりやすく、配線レイアウトはオフィス整備のメインでもあります。
踏まないように丁寧にカバーすることも大切です。

 

まとめ

今回の記事では、電気工事におけるケーブルの種類について詳しく解説を行いました。
電気工事にもさまざまな種類がありますが、配線自体にもさまざまな物がありますね。

特にテレビやネットに関するケーブルは馴染み深いものです。
この記事をきっかけにケーブルそのものにも、関心を深めていただけたら幸いです。