ー電気工事における増設工事とは|コンセントやスイッチの追加を解説ー

私たちの暮らしに必要な電気は、電気工事で施工することによって利用できます。生活のなかで電気にまつわる設備に不満を感じたら、「増設」によって対応が可能です。

この記事では増設工事に注目し、コンセントやスイッチを追加する方法を詳しく解説します。

増設工事の概要

暮らしに欠かせない電気は、電気工事によって配線が敷かれており、配線を通って電気が供給されることで安全に使用できます。こうした電気に関係する工事は、基本的に「電気工事士」でなければ工事をできません。

配線工事以外にも、電気工事には「増設工事」と呼ばれるものがあり、こちらも同様に電気工事士が携わる必要があります。増設工事はコンセントやスイッチなどを「増やす」工事です。

コンセントやスイッチは増やせる

新築時に施工してあるコンセントやスイッチに、不便さを感じることがあるかもしれません。高齢化によってスイッチの場所が遠く感じたり、家族や家電の増加によって、コンセントを別の場所にも増やしたいと感じたりすることもあるでしょう。

このようなケースでは、電気工事のなかでも増設工事によって、コンセントやスイッチを増やすことにより対応が可能です。

コンセントを増やさないと危険性も

コンセントやスイッチはDIYによる施工ができないため、電気工事士に依頼することが欠かせません。

電気工事士に依頼をすることが面倒に感じると、タコ足配線の状態で家電を多く使用してしまう可能性が高まります。1つのコンセントに大量のプラグを差し込み、家電をフル稼働させていると、コンセントに多くの熱が発生し火災のリスクが高まります。

また、過需要によってブレーカーが落ちてしまう可能性もあるでしょう。コンセントを適切に増設しなければ、電気に関係する重大なトラブルが起きる可能性があるため、注意が必要です。

コンセントおよびスイッチの増設時の注意

コンセントが必要な状態は、家電数の増加などにより今までよりも多くの電気を消費していることが予想されます。しかし、電気は好きなだけ消費できるものではありません。

電力会社と電気の契約をする際には、電気の供給量の上限が定められています。上限を大きく上回る電気の使用は、ブレーカーが落ちるしくみが採用されています。もしも増設工事の必要が大型家電の追加によるものの場合、必要に応じて電気契約も見直す必要があります。

適切な使用量に合わせて、分電盤なども交換する必要があるため注意してください。

増設工事の基本的な流れとは

コンセントやスイッチなど、増設工事を依頼すると実際にはどのような流れになるでしょうか。この章では増設工事の基本的な流れについて解説します。

まずは増設工事の中身を決める

暮らしのなかで電気に関する不便さを感じたら、「どのようにすれば改善できるのか」じっくり検討しましょう。

たとえば、コンセントの増設の場合は数や位置を決めることはもちろんですが、既存の配線を伸ばしたり、分岐させたりする工事も可能です。コンセントの電圧そのものを変えることもできます。

適切な増設工事の中身がわからない場合は、まずはこの段階で不満・不足感があることを電気工事士や電気工事業者側に相談してみると良いでしょう。

見積もりを取得する

コンセントやスイッチなどの増設工事は、大がかりな配線工事と比較すると、比較的安価な工事が実現できます。しかし、電気工事業者によっては費用にばらつきがあるため、見積もりを複数社から取得してみると良いでしょう。

見積もりの取得後、納得できる業者がいる場合は電気工事の契約に移行します。

契約と施工

電気工事の見積もりに承諾したら、工事内容なども最終確認のうえで契約を行い、施工に移ります。この際に、電気の使用量の増加についても考えておきましょう。

過需要の状態が続くとブレーカーが頻繁に落ちるようになるため、このタイミングで電気契約を見直すことがおすすめです。なお、供給量に関しては1つの回路から15アンペアを使用することが理想的とされます。

完了

電気工事で必要な増設工事が終わったら、安全に使用できるか最終確認を行ったうえで工事が完了します。

どのようなケースで電気の供給量は見直すべき?

コンセントおよびスイッチの増設は気軽に依頼できる電気工事ですが、増設によって電気の需要が増加する場合には、供給量に合わせて専用回路の増設や契約の見直しを行う必要があります。詳しくは以下のとおりです。

専用回路の増設とは

エアコンなど、多くの電気を消費する家電製品を増やす際に、コンセントやスイッチなどの増設を希望する場合は、専用回路の増設が必要です。エアコンがすでに自宅にある方はわかるかもしれませんが、エアコンの横にはエアコン単体のコンセントがあることが一般的です。200Vが目安となっているため、専用回路の増設ができる場所にエアコンを設置する必要があります。

建物の構造上増設ができない場合は、別の場所に設置する必要があるため、あらかじめ電気工事士や電気工事会社側と打ち合わせを行うようにしましょう。

契約の見直しとは

電気の契約はアンペア数の上限が設定されており、エアコンの増設などの際には現契約のアンぺア数を超える消費が発生する場合があります。電気の契約アンぺア数の変更も電気工事業者に依頼できます。

家庭で一度に使う電気の消費量が多い場合には、適切な契約に見直しましょう。なお、エアコンの増設などではなく、照明の増設程度なら消費電力量の増加は少ないため、電気契約の見直しまでは不要の可能性が高いでしょう。

・契約アンペア数と電気料金の関係とは

電気料金は近年値上がりの傾向にあり、契約アンペアを見直すことで電気料金が上がるのではと、ためらう方もいるでしょう。契約アンペアを高くすることで、電気の基本料金も上がります。

電気料金が不安な場合には、増設工事の前に電気の消費量や契約なども十分に検討のうえで購入することがおすすめです。

まとめ

今回の記事では、電気工事におけるコンセントおよびスイッチの増設について、基本的な工事の流れも踏まえながら詳しく解説しました。

電気工事では気軽にコンセントやスイッチを増やせますが、同時に契約しているアンペアなども十分に検討する必要があります。電気工事に関する疑問や、増設への悩みはお気軽にお問い合わせください。