電気工事は大変危険な作業であり、従事する際には「資格制度」が導入されています。

では、なぜ危険なのでしょうか。電気は扱い方を誤ってしまうと、感電してしまうおそれがあるからです。そこで、この記事では電気工事の「安全対策」に焦点を当てて、詳しく解説します。

 

電気工事のトラブルとは

電気工事に従事する場合には、電気工事士と呼ばれる資格を取得する必要があります。

この資格は二種および一種があり、まずは二種から取得することが一般的です。工事を安全に遂行できる能力を身に付けてから、ようやく作業に従事できるようになります。

では、電気工事にはいったいどのようなトラブルが起きやすいのでしょうか。

安全対策を知る前に、まずはトラブルについて学んでみましょう。主な危険性は以下の3つです。

 

感電リスク

電気は電流を正しく扱うことで使用できます。テレビも冷蔵庫も、巨大な工場施設も、電気が正しく工事されているからこそ稼働できるものです。

しかし、電流には「感電リスク」があることを覚えておく必要があります。

ブレーカーを落とさずに漏電箇所に触れてしまうなどのトラブルが起きてしまうと、作業者は感電し、最悪死に至るリスクがあります。

 

火災リスク

漏電などのトラブルが起きると、建物の火災リスクがアップします。

電気機器や配線の切断などのトラブルで、建物に火災が起きている事実はご存じでしょうか。作業中のミスで発火し、火災に至ってしまう可能性も否定できません。

電気火災は意外と頻繁に起きているリスクと知っておく必要があります。

 

故障リスク

配線工事のミスなどを引き起こすと、家電や精密機器などに誤った量の電流が流れ、故障してしまう可能性があります。

配線ミスのトラブルも、電気工事でよくあるミスのため注意が必要です。故障で収まればリカバリーができますが、感電や火災に至る可能性もあります。

 

電気工事は安全対策が欠かせない？

電気工事には感電、火災そして故障のリスクがある以上、作業にあたる方はしっかりと安全対策を行ったうえで、作業に従事する必要があります。

欠かせない安全対策ですが、いったいどのような対策を行うべきでしょうか。この章では、電気工事に欠かせない安全対策を詳しく紹介します。

 

感電リスクへの対処

電流にうっかり触れてしまうと、火傷を負うだけではなく亡くなってしまうリスクもあります。電気は非常に強力な電流を使うものという当たり前の事実を常に覚えておく必要があります。

感電リスクに備えるためには、絶縁用の保護具や防具を身に付けておく必要があります。しっかりと安全対策として「感電を防ぐ装備」ができていれば、感電してしまうリスクは低下します。

 

ミスへの対処

電気工事にミスがあると、火災や設備故障のリスクが上昇します。電気工事のミスを少しでも減らすためには、配線工事の前の設計の段階から、慎重に工事の進行を検討する必要があります。

些細な「うっかり」が大事故につながってしまうというリスクがあります。

常に施工内容や進捗管理は怠らず、ミスが起きない安全対策を重ねましょう。

 

墜落リスクへの対処

電気工事は床下などに行うこともありますが、電線工事のように高所作業が行われることも多々あります。

高所作業は作業に夢中になるあまり、高圧配線に触れて感電してしまうだけではなく、作業車から墜落してしまうおそれもあります。墜落リスクを避けるためには、安全帯などの装備を欠かせないことが重要です。

また、一人で作業をすると、万が一のトラブルの際に発見が遅れます。

複数の作業者がいると、万が一の事故にも迅速に対応できます。チーム制で作業をすることがおすすめです。

 

なぜ感電事故は怖いの？改めて知る電気事故の危険性とは

電気事故のリスクのなかでも、特に感電は大きな事故に発展しやすく人命を失うリスクがあります。

では、なぜ感電事故にはリスクがともなうのでしょうか。この章では、感電事故の危険性を詳しく解説します。

 

人体に電流が流れてしまうとどのようになる？

感電事故でもしも人体に電流が流れてしまったら、いったいどのようになるのでしょうか。

電流は大きければ大きいほど、人体に与える影響は大きくなります。つまり、大規模な工場や送電装置などは大きな電流が流れており、もしも事故が起きてしまうと、極めて重篤な症状が起きると考えられるのです。

また、電流に触れたあと、人体を通過する時間が長くなると体内に及ぼす影響が大きくなってしまうため、注意が必要です。電流の経路上に内臓、特に心臓がある場合は死に直結する可能性があります。

・ヒヤリハットのサインとは

感電は静電気のような微弱ものではなく、誤って触れると即死してしまう可能性もあり、非常に危険です。もしも作業中にピリッとするサインがあったり、焦げ臭い、異音がするなどのトラブルが起きたりしていたら、大規模な事故が発生するおそれがあります。

些細な違和感が起きていたら工事を中断し、安全を確認したうえで再開するようにしましょう。

 

工具の使い方に注意点はあるのか？

電気工事にはいろいろな注意事項があり、そのなかの１つに「工具」が挙げられます。

電気工事をつつがなく進めるためには、ケーブルや配線を安全につなぎ、適切に工事を遂行する必要があります。しかし、工具の使い方が誤っていると、施工が誤って行われる可能性があります。

特に手作業ではなく、電動工具を活用するような場面では、配線などに損傷が起きやすいため慎重に工事を行う必要があります。

工具の使い方は慣れが必要な側面もあるため、慎重にマスターし、工事に従事するようにしましょう。

 

危険を回避するコツとは

工具の使い方はもちろんのこと、電気工事全般は、常に注意点を「確認」しながら進める必要があります。作業開始の前、作業中など、注意したい部分は複数名でチェックを重ねながら工事を進めましょう。

また、電気工事の初心者は、必ず指導を受けることが大切です。

絶縁や遮断のチェックなど、電気工事を安全に進めるためには、知っておく必要がある細やかな作業が多く存在しています。ベテランのアドバイスを貰いながら、工事をマスターしていきましょう。

 

まとめ

この記事では、電気工事における安全対策について、感電事故の危険性などにも触れながら詳しく解説を行いました。

電気工事は危険をともなう作業であり、常に安全対策を講じながら進める必要があります。感電に至ってしまうと人命に大きな影響を与えてしまうため、装備や工具の使い方にも注意を払いながら施工しましょう。