電気工事に携わるために必要な資格とは｜種類やメリットを解説

2023.07.21

電気工事は私たちの生活に欠かせない重要な役割を果たしています。電気工事のプロフェッショナルとなるためには、資格の取得が必要です。

本記事では、電気工事に関連する資格の種類と、メリットについて詳しく紹介します。

電気工事に必要な資格とは

私たちの暮らしを明るく灯す電気工事は、豊富な種類の工事内容があります。建物や施設における内装部分の施工だけではなく、電線などを通した配電の工事、変電所などの整備や管理など、幅広い種類があります。

つまり、屋外だけではなく屋外においても工事を行う必要があります。また、電気を使うための配線工事だけではなく、保守点検も工事の一種です。

電気には火災のリスクがあるだけではなく、ミスがあれば人命にも影響するため、適切に施工や管理を行えるように資格制度が導入されています。では、いったいどのような資格が求められているのでしょうか。

電気工事士とは

電気工事に必要な資格といえば「電気工事士」です。電気工事士は第二種電気工事士および第一種電気工事士の2種類があります。いずれも試験制度が導入されていますが、学歴は問われません。

基本的にまずは第二種電気工事士を取得したあとに、電気工事士として現場経験を重ねたうえで、第一種電気工事士の資格取得を目指します。第一種電気工事士は免状の取得の際に実務経験が必要です。（現在必要とされる実務経験は3年）

電気主任技術者とは

変電所などの保守管理を行う際に必要となる資格が、電気主任技術者と呼ばれる資格です。いわゆる保安監督と呼ばれる立場を得られます。

安全かつ効果的な電気設備管理に欠かせない資格です。電気主任技術者は第一種から第三種まであります。第一種電気主任技術者が最も上位資格となり、すべての事業所用電気工作物を取り扱えるようになります。

電気工事のなかでも保守分野でスキルアップを目指す場合、まずは電圧が5万ボルト未満の事業用電気工作物を取り扱える第三種電気主任技術者の取得を目指しましょう。

電気工事施工管理技士とは

試験の難易度が高いことでも知られている電気工事施工管理技士は、国土交通省が管轄する資格の一種です。第一種電気工事士より難易度は高いともいわれています。

施工管理を適切に行うために欠かせない資格の1つであり、電気工事の知識だけではなく、建築学などの知識も求められます。電気工事施工管理技士は1級および2級が用意されており、取得することで電気工事の入札制度に有利となります。

そのため、電気工事施工管理技士は好待遇で迎え入れる企業も多く、安定した収入が得られやすい資格です。

電気工事の資格を取得するメリットとは

電気工事関係の資格にはさまざまな種類がありますが、どの試験も難解な傾向があり、なかには技能試験を要するものもあります。しかし、難解な試験である理由は電気工事の安全性を確保するためであり、重大な事故を防ぐためです。

では、電気工事の資格を取得するメリットにはどのような点が挙げられるでしょうか。以下4つのメリットを解説します。

１．需要が安定している

私たちの生活は、電気とともにあると言っても過言ではありません。新たに建物内に施工する場合も、保安管理をする場合も、いずれも需要が常にある状態です。仕事が安定して存在しているため、収入が確保しやすいというメリットがあります。

また、電気工事分野は関連分野も拡大の一途をたどっています。その1つが電気通信主任技術者などの資格です。

電気通信分野はパソコンやスマートフォンなどのネット環境を維持していくうえで欠かせない工事であり、今後需要がさらに拡大すると考えられます。

電気工事の資格を取得しておくことで転職もしやすくなるため、好条件の職場で働くことも叶いやすいでしょう。

２．電気工事士なら挑戦しやすい

難解な試験ではあるものの、電気工事士は誰でも挑戦できるため門戸が開かれている資格といえます。電気分野を学んだことがない方でも、コツコツと勉強を重ねていくことで電気工事士の資格を取得することは夢ではありません。

電気工事士は必要な学歴や職歴などの受験資格が設定されていないため、誰でも挑戦できます。

また、第二種では1年に2回試験が開催されているので、1回目で落ちてしまったとしても諦める必要はありません。電気工事は需要が安定している資格であるため、挑戦する価値はあるといえるでしょう。

３．幅広い職種が用意されている

電気工事の分野では、多岐にわたる施工が実施されています。屋内や屋外を問わずに電気工事の施工は必要となるため、自身に合った仕事内容が見つけられます。

たとえば、屋外の工事は雨天の中で復旧作業に当たることもあり、大変労力のかかる作業です。しかし、その分高収入も期待できます。

もちろん、内装工事だけに従事することも可能です。資格によっては監督として活躍できるため、やりがいも大きくなります。

４．奥深くチャレンジしがいがある

電気工事は簡単な分野ではありません。通信分野も含めると技術も日々進歩しており、常に自身の知識もアップデートしていく必要があります。

その分、奥深くチャレンジのしがいがあるジャンルです。コツコツと勉強をすることが好きな方や、新しいことにチャレンジすることにやりがいを感じる方には、電気工事が大変おすすめです。

まずは電気工事士に挑戦しよう

電気工事の分野で活躍を目指す場合には、どのような資格の取得から始めるべきか迷うのではないでしょうか。その場合、まずは電気工事の基礎知識を網羅するためにも第二種電気工事士の資格を取得することがおすすめです。

第一種まで取得できると大型の工場などの施工にも携われます。また、作業を覚えていくことで、関連する電気工事資格への知識が増えていくため、合格への近道となります。

電気工事は地味な作業も多いですが、暮らしを守るために欠かせないやりがいのある仕事です。ぜひこの機会に、資格の取得を検討してみてください。